脊椎脊髄外科

【当科の特徴】
「脊椎(せぼね)」に関連する疾患は、高齢者社会に伴い年々増加しております。特に首や腰の痛みや手足の痛み・痺れは神経の圧迫から起こることがあります。
MRIや内視鏡、顕微鏡、脊椎固定術の技術革新と普及に伴って、以前に比べて飛躍的に診断や治療が可能となってきています。
また、低侵襲手術を適切に用いることで、1週間程度で社会復帰可能となる手術ができるようになってきました。
当院では若年者から高齢者まで、低侵襲から脊柱矯正まで、頚椎・胸椎・腰椎の前方・後方手術まであらゆるニーズに幅広く対応できるトータルな脊椎脊髄外科として日々研鑽しております。

それぞれの患者様に適応を十分に検討し、微細な手術操作を可能にする顕微鏡手術、腰椎椎間板ヘルニアに対する神経内視鏡(PELD)、日本に数台しかない術中移動型CTであるO-arm2とナビゲーションシステムを組み合わせ、最大限安全に配慮した手術を行うことを心がけています。
さらに、低侵襲腰椎前側方椎体間固定術(OLIF)により、難易度の高いとされる脊椎変形(側弯症、後弯症)や脊椎外傷をより低侵襲(体への負担を少なく)で安全に治療することを目指します。また、術後早期の社会復帰をめざし、リハビリテーションにも力を注いでおります。

腰痛、手足のしびれ・痛みなどの症状でお困りの方はお気軽にご相談下さい。

  • 頚椎椎間板ヘルニアなどに対する頚椎前方除圧固定術
  • 頚部脊柱管狭窄症などに対する頚椎後方椎弓形成術
  • 頚椎後方スクリュー固定術

  • 腰部脊柱管狭窄症に対する胸腰椎後方除圧術
  • 腰椎すべり症などに対する腰椎後方椎体間固定術
  • などの従来の術式に加え、当院では以下の低侵襲治療が可能です。

【腰椎椎間板ヘルニアの治療】
 
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 【新しい腰椎椎間板ヘルニアの椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)】
 
腰椎椎間板ヘルニアのなかでも「保存療法で十分な改善が得られない後縦靱帯下脱出型」の患者が適応です。
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                             ※「ヘルニコアの治療を受ける方へ」より一部抜粋
 
【ヘルニコアに関する注意事項】
 
  1. まれに24~48時間で多形紅斑型薬疹の報告があり、当院では念のため原則として1泊2日~2泊3日経過観察といたします。
    (本人都合で早期退院希望の場合は退院可能ですが、帰宅後も発疹など副作用に注意してください)
  2. 過去に椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア注入)を受けたことのある方は、再度この治療法を受けることができません。
  3. ヘルニアの形や出ている位置によっては、椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)の適応とならないこともあります。
  4. 腰椎不安定症のある患者さんには椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)を行うことができません。
 
【内視鏡下椎間板ヘルニア摘出(切除)術(PELDヘルド)】

従来行われていた方法はLove法といって5~6cmの切開を加え、骨(棘突起)から筋肉を剥離し、肉眼的に神経を確認、その奥にあるヘルニアを摘出するものです。
しかし、神経内視鏡を使った新しい手術方法(PELD)が開発され、傷が小さく(1cm程度)、筋肉は剥離せず、線維方向に分けて進入し、病変であるヘルニアを摘出します。
メリットとして
  1. 出血が少ない。
  2. 術後感染が少ない。
  3. 手術後の痛みが少ない。
  4. スポーツ・仕事への復帰が早い(高齢者の社会復帰にも有用)。
  5. 入院期間が短く、そのため入院治療費が安くなる
 
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【O-arm2併用した経皮的内視鏡下手術】

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【内視鏡術野】

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【最新医療機器】

  • Oアーム 2(術中移動型CT)
  • 手術支援ナビゲーションシステム 
  • ハイビジョン神経内視鏡

【術中の神経モニタリング】

術中の神経損傷予防のため、リアルタイムにMEPというモニタリングを用いて、安全な手術を心がけています。

【最新のせぼねの固定手術】

OLIF(オーリフ):
前側方侵入椎体固定術(Oblique Lumbar Interbody Fusion)もしくはXLIF(eXtreme Lumbar Interbody Fusion)
脇腹あたりからのアプローチし変性した椎間板をケージという前方固定用インプラントにて再建、その後に背中からスクリューとロッドで固定し、
脊椎の安定化を図る手術。2012年に日本に導入された比較的新しい手術なので、施行の専門医も少なく実施できる施設が限られる。
メリットとして従来の通常の後方(背中)からアプローチする手術に比べ、筋肉組織と脊椎骨の損傷が少なく身体への負担が最小限の低侵襲な手術である。

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【圧迫骨折に対するBKP:経皮的椎体形成術(Balloon Kyphoplasty)】

背中から骨折箇所に風船付きの器具を挿入し、潰れた骨を持ち上げ医療用セメントを充填して骨を固める手術。
メリットとして、手術時間はおよそ20分程度で、皮膚切開も1cm程度を2カ所と身体の負担が少なく、潰れた脊椎がすぐに固まるため痛みが早期に和らぎ離床も早い。
当院では術前循環器内科精査の上、手術可能であれば、疼痛緩和のためにできる限り施行しております。

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手術実施件数
  件数
2016年度 2017年度 2018年度 2019年度
年度別実施件数 20 108 176 168
術式名称 内訳
頭蓋頚椎移行部除圧 0 0 0 0
頭蓋頚椎移行部固定 0 0 1 1
頚椎前方後方合併一期的手術 0 0 0 0
頚椎前方除圧 0 0 0 0
頚椎前方固定 1 5 14 15
頚椎後方除圧 2 7 7 8
頚椎後方固定 0 2 1 8
胸椎前方後方合併一期的手術 0 0 1 4
胸椎前方除圧 0 0 0 0
胸椎前方固定 0 1 0 0
胸椎後方除圧 0 1 1 3
胸椎後方固定 0 0 3 1
腰仙椎前方後方合併一期的手術 5 22 55 28
腰仙椎前方除圧 0 0 0 0
腰仙椎前方固定 0 6 12 2
腰仙椎後方除圧 9 24 2 23
腰仙椎後方固定 1 20 32 22
脊髄腫瘍摘出(髄外・硬膜外) 0 1 1 2
脊髄腫瘍摘出(髄内) 0 0 1 0
脊椎腫瘍摘出(椎体再建を含める) 0 0 0 0
脊髄動静脈奇形手術 0 0 0 0
二分脊椎手術 0 0 0 0
末梢神経手術 0 4 0 0
経皮的椎体形成術 2 11 28 25
経皮的内視鏡手術(PELDもしくはFESS) 0 0 11 23
その他 0 4 6 3